墓守コラム

お墓は遠くにありて参るもの お墓参りを楽しい旅行にしちゃおう

お墓が遠方にあることで、なかなかお墓参りができない、お墓の掃除ができなくて心苦しく思っている方がたくさんおられます。

また、大切な家族のお墓に頻繁にお参りしたい人にとっては、お墓はすぐ近くにあってほしいものです。霊園選びで一番優先するのは、アクセスのよさだという調査結果も出ています。

だからと言って、何も急いで墓じまいやお墓をお引越しする必要はありません。むしろ、遠くにあるからこそお墓っていいよね、という側面だってあるのです。

今回は、「お墓が近くにあってほしい」という考え方に、思い切ってパラダイムシフト(価値観の逆転)を促します。お墓参りを旅行にしちゃうことで、私たちもご先祖様も楽しく喜んでくれる。そんなご提案です。

お墓は近くにあるべきという考えを取り去るべき

お墓は近くにあった方がいいのは言うまでもありません。すぐにご先祖様に会いに行けますし、お参りの負担も少ないことでしょう。

しかし、現代社会は人々が簡単に移動ができ、好きな街で暮らせる時代です。誰もが当たり前のように故郷を離れる中で、ご先祖様の遺骨やお墓も一緒に移動しちゃおうと考えるのは、至極真っ当なことなのです。

しかしですね、ここで考えていただきたいのは、だからといって無理に墓じまいやお墓のお引越しをしなくてもいいのではないか、ということです。

平成に入り、ことさら「墓じまい」という言葉がマスコミ上で見られるようになりました。墓守をする人がいないことにより、墓じまいをしなければならない人が増えたのは事実でしょう。

しかしこの流れを受けて、いますぐ墓じまいをする必要がない人までもが、つまりまだまだ遠方のお墓にお参りできる状態にある人までもが、早いうちに墓じまいをしてしまうケースが大変多く見られるのです。

こうした人たちは、「お墓は近くにある方がいいよね」「跡継ぎがいなくていつか無縁になるくらいなら、早いうちに墓じまいしておくべきだよね」という考えに囚われているとも言えるように思えます。

たしかに、いつかは墓じまいをしなくてはならないという人はたくさんいることでしょう。しかし、そのタイミングは、今なのでしょうか?

コロナが「距離」をなくしてくれた

コロナウイルスで社会は大きく揺ぎました。ウイルス感染の恐れだけでなく、それに伴って社会のさまざまな価値観が大きく転換しました。

そのうちの一つに「リモート」という言葉があちこちから聞かれるようになりましたが、コロナウイルスはまさに「距離」の考え方を一変させたのです。

2020年に限っては、日本中のお寺が本堂での法要や檀家へのお参りをやめました。代わりに何をしたのかというと、リモートによる法要です。いわば、本堂でのお勤めを動画配信し、檀家に届けたのです。

同じように、お墓参りをリモートで行う動きも見られます。VR技術を用いたお墓参り代行サービスや、寺院によるお墓参り代行の動画配信など。

こうした動きは賛否両論あり、社会がこれを受け入れるかどうかは長い目線で見なければなりませんが、ここで強調したいのは、コロナウイルスをきっかけに「距離」に対しての考え方が変わった、ということです。

近くにあるお寺へのお参りができなくなった反面、遠くにあるお寺へもお参りができてしまう。こうした社会になりつつあるということです。

近い方がいい、遠いのはよくない。こうした二元論は消滅しつつあるのです。

お墓参りを楽しくする術 旅行にしちゃうのです!

お墓参り

さて、前置きが長くなりましたが、要はお墓参りを旅行にしてしまえばいいのです。

もうすでにそのようにされている人もいることでしょう。お盆や正月の帰省を楽しみにしている人もたくさんいるはずです。

故郷に帰ってもだれも親戚がいないという人も、近くの温泉宿に泊まってゆっくりする、行き帰りの道中で観光地に立ち寄るなどして、遠方へのお墓参りはいくらでもポジティブなものにできます。

別にお墓参りは年に1回と決まっているものではありません。2年に1回、3年に1回でもよいではありませんか。お墓の汚れが気になる方はお墓参り代行サービスを活用する手もあります。

お墓参りを旅程の中に組み込んで、楽しいものにしてしまうのです。ご先祖様もきっと喜んでくださります。

お墓参りのあとに温泉につかるということは、あなたの中のご先祖様も一緒に湯につかるということなのです。お墓参りのあとに美味しいご飯を食べ、きれいな景色を見て、行楽地や観光地に立ち寄るということは、こうした楽しい旅にご先祖様を一緒に連れて行くことになるのです。

故郷のお墓参りは、自分のルーツに触れる機会

故郷のお墓は、いわばあなたのルーツ、根っこです。

私たちの命は、ご先祖様のおかげでいまここにこうしてあります。いまは東京や大阪に住まれているあなたのご先祖様も、かつては遠い田舎の地で生活をしていたのです。

そうした故郷に立ち返ることが、日常に忙殺され、生きることに必死の私たちの心につかの間の休息と安心感を与えてくれます。

お墓が遠くにあって苦に思う方もたくさんいるとは思いますが、遠くにあるからこそ、ご先祖様が生きてきた場所にあるからこそ、お墓参りの価値はぐんと高まるのだと、確信します。

さあ! お墓が近くにある人も、遠くにある人も、お墓参りに行きましょう。

お墓参りは旅行。楽しいものにしちゃいましょう!

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