墓守コラム

お墓をコスパという観点から考える 平均相場176万円は高いのか?

これまでお墓といえば石のお墓でしたが、2010年以降、樹木葬や納骨堂などを選ぶ人が増え、お墓のあり方はどんどん多様化しています。そのような新しいお墓と比較したときによく聞かれるのが「墓石は高い」という声。たしかに墓石を建立するときの価格と樹木葬や納骨堂を購入するときの価格を比較したときには、墓石の方が高いでしょう。

しかし、長い目線で見たときに、果たしてコストパフォーマンスはどちらの方がいいのでしょうか。

一時的な支払いだけでなく、長い視点で見たときのお墓のコスパ、さらには墓石を持つことのメリットについて考えてみたいと思います。

墓石、樹木葬、納骨堂 3タイプの費用の比較

株式会社鎌倉新書が行ったアンケート調査「第11回 お墓の消費者全国実態調査(2019年)」(2020)によると、墓石、樹木葬、納骨堂のそれぞれの平均購入か価格は次の通りです。

一般墓 176,1万円

樹木葬 79.8万円

納骨堂 87.6万円

こうしてみると、確かに墓石は他に比べて高額ですね。

樹木葬にも個別型や合祀型など、さまざまなタイプがあり、それらによって金額にも差があります。しかしどのタイプを選んだとしても、墓石よりもコンパクトで、かつ建立までにかける手間暇が少ない樹木葬の方が安いことに変わりはないでしょう。

また納骨堂は、すでに寺院が用意した納骨壇を購入するので、新たに墓地を確保して墓石を建立するなどの大掛かりな工事が不要です。

これらに比べると、たしかに墓石の建立にはたくさんの人手が必要です。山から石を切り出す。硬くて重い石をお墓の形に加工する。文字を彫刻する。石材を墓地まで運ぶ。現地の基礎工事をする。その上に石材を据えていく。墓石の建立のためには、これだけの熟練の職人の手が必要となるのです。墓石が高くなってしまうのも仕方ありません。

しかし考えるべきは、そのお墓をどれくらい長く使い続けることができるかではないでしょうか。

墓石は何世代もまたいで使用が可能

あなたのお墓の中には、何名の方のお骨を納めることができますか? 大切なのはこの考え方です。

樹木葬であれば、2人用のものが当たり前に販売されています。もちろん、里山型のように遺骨を土に還すスタイルの場合は何人でも埋葬できますが、樹木葬のほとんどは霊園型です。コンパクトをウリにしているためカロートの広さに限りがあります。

納骨堂も、ロッカー型や仏壇型などさまざまな種類があり、2人用や4人用など、その形状によって遺骨を納められる数が異なります。一見安く抑えられそうなものの、もしも世代を超えて家族利用できる納骨壇を選ぶのであれば、その費用は100万円や200万円にも及び、こうなるともはやお墓の建立と値段は大して変わりません。

納骨できる数で比較すると圧倒的に墓石が有利です。カロートの形状にもよりますが骨壷のままでも10名分は楽に納骨できます。もしもカロートの中が骨壷でいっぱいになってしまったとしても、骨壷から遺骨を取り出して土に還してあげることだってできます。わざわざ合祀することなく、あなたのおうちのお墓の中でご先祖様の遺骨を土に還してあげられるのです。

つまり、2世代、3世代、はたまた4世代と、世代を超えて利用できるため、もっともコスパに優れているのは、実は墓石なのです。

100万円を下回る墓石もある

上に挙げた鎌倉新書のアンケート結果は、あくまでもそれぞれの購入時の平均相場であり、実は墓石にも100万円を下回るような安価なものがたくさん出回っています。

もちろんサイズこそコンパクトになりますが、やはりいまでも「石のお墓に手を合わせたい」と墓石を求める人は多く、墓石は日本人の心情にもっともなじみやすいスタイルであると言えるでしょう。

あなたが墓石を用意することで、遺された子どもたちが安心する

たしかにお墓は高い買い物です。購入するその瞬間のことを考えると、樹木葬や納骨堂などに気持ちが傾いてしまうのも頷けます。

しかし、多少のお金をかけてお墓を建立することで、その先30年や50年という長い月日をかけて、あなたは子や孫に安心感を与え続けることができます。

それは、「万が一うちの親が亡くなっても、すでに入るお墓がある」という親の死後の安心感だけでなく、「自分が亡くなった時には親が作ってくれたお墓に入れてくれたらいい」という、やがてやってくる自分の死後の安心感をも、あなたがもたらすことになるのです。

ご縁があってこの記事にめぐりあったあなたには、ぜひともトレンドに流されずにお墓を選んでほしいと思います。まずはあなた自身やあなたの家族をめぐる状況をきちんと見据えて、どのお墓が一番家族の繋がりにとって大切なのかを考えてみましょう。

どうして墓石にこだわるのか 「墓守」という考え方

あなたにあととりがいないというのであれば、納骨堂や樹木葬でも構いません。でももしもあなたのことを弔ってくれる子や孫がいるのであれば、仮に遠方に住んでいるのだとしても、ぜひとも墓石を検討してほしいと願います。世代を超えた、死者と生者のつながりを再確認できるものとして、墓石を超えるものは他にないからです。

墓石には私たちの命よりも長い時間、そこにい続けられる永続性があります。どんなに風や雨が強くても微動だにしない堅牢性があります。親、子、孫、ご先祖様と言った世代を超えたつながりを、長く、強く守ってくれるのが石でできたお墓なのです。

あなたが大切な子供や孫の幸せをなによりも優先して考えるように、ご先祖様は子孫の幸せを願っています。そして子孫はそのシンボルとしてお墓を大事に守ることで、自分自身の命の大切さに気づいてくれるはずなのです。

わたしたち墓守の会が、なぜ墓守にこだわるのかというと、お墓を守るということが、ご先祖様を、ひいては自分たちの幸せを実現させてくれるからに違いないと信じているからです。

お墓の費用でお困りの方はぜひとも墓守の会にご相談ください。あなたの思いに寄り添って、あなたにぴったりなご提案をさせていただきます。

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