墓守コラム

意外に高額な「墓じまい」。いますぐ墓じまいが必要ですか? 多額な出費を細かい内訳から解説

実は墓じまいをすることで多額な出費がかかることはあまり知られていません。100万円近くの出費を伴ってまでして墓じまいするべきなのか。この記事では、墓じまいの是非を費用の観点から考えてみましょう。

墓じまいでしなければならない5つのこと

墓じまい

墓じまいということばを聞くと業者による墓石の解体工事だけを連想していませんか。じつはその前後でしなければならないことがたくさんあります。

●新しいお墓の購入

お墓の中にはお骨があります。お墓を解体するということは必然的にその中からお墓を取り出し、新しいお墓を用意しなければなりません。

●改葬許可申請

お骨を別の場所に移動することを「改葬」と呼び、改葬するには自治体から許可を得なければなりません。

●墓地の返還手続き

墓地の管理者に区画の返還手続きをします。墓じまいをすることで寺院の檀家をやめなければならない場合は「離檀」という手続きを踏まなければならないこともあります。

●お寺による性根抜き

お墓の中には仏様やご先祖様の魂が込められているため、墓じまいの前には必ずお坊さんに性根抜き(閉眼供養などとも言う)をしてもらわなければなりません。

●石材店による墓じまい工事

ここまでのことを済ませておいて、ようやく墓じまいの工事ができるのです。

墓じまいにかかる費用は100万円

5つのすべきことを経てようやく完了する墓じまい。一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。墓じまいの費用は、新しく購入するお墓の種類や、解体するお墓の大きさなどによって大きく増減しますが、100万円前後の出費は覚悟しておいた方がよいでしょう。

●新しいお墓の購入 約70万円

ここでいう「お墓」とは、いまはやりの納骨堂や樹木葬も含まれます。安いものだと10万円から30万円程度で利用できますが、個別に供養したいというのであれば50万円~100万円近くの費用がかかります。また、あらたに墓石を建てようとすると、墓地と墓石代で200万円近くの費用がかかります。ここは間をとって約70万円としておきます。

●改葬許可申請 無料

改葬許可に伴う費用はありません。せいぜい役所に支払う事務手数料が数百円です。ただし、手続きを行政書士に依頼する場合はその費用が発生します。

●墓地の返還手続き 無料

墓地の返還手続きには費用は掛かりません。ただし、離檀がともなうのであれば、離檀料を用意しなければならないこともあります。寺院に対してのお布施の一種なので、金額に決まりはありませんが5万円~20万円が相場と言われています。

●お寺による性根抜き 約3万円

お性根抜きのためのお布施の相場は1万円~5万円でしょう。間を取って3万円としておきます。

●石材店による墓じまい工事 約30万円

墓じまい工事の費用は、墓域の面積、解体する石塔の数、石の量、現場の状況などによって大きく異なります。必ず石材店に見積もりをしてもらいましょう。安くても20万円、隆墓地では100万円近くすることもあります。ここではひとまず30万円としておきましょう。

このようにしてみると、墓じまいにどれくらいの費用がかかるかがお分かりいただけたかと思います。100万円というのはあくまでも一つの目安で、これよりも高額になることは充分に考えらえます。

多額の出費をしてまでして墓じまいしなければなりませんか?

私たちは、なにも「墓じまいがダメ」とは言っていません。必要な人にとってはしなければならないことです。ご先祖様のお墓を無縁墓にしてしまうくらいなら、墓じまいをした方が子孫としては立派な務めです。

しかし、いま本当に墓じまいをしなければならないのか、よく考えてみませんか? 前回の記事でもお伝えしたように、墓じまいをしなくても、いまはさまざまな方法でお墓を守ることができます。あるものをなくすのではなく、つなげる、守る。そうした発想の転換をしてみませんか?

急いで多額の出費までして墓じまいをしなくても、きっとお墓を守る方法があるはずです。

お困りの方は、どうぞ墓守の会にご相談ください。あなたのお悩みに寄り添って、最適な解決方法をともに考えていきましょう。

支援内容

継承問題・管理問題・お墓参り問題を一緒に考えます。

お問い合わせ

お墓がある地域に合わせたご対応をさせて頂きます。
どんな小さなご相談・お悩みも是非一度お聞かせください。

Scroll to Top