墓守コラム

秦の始皇帝 念願の寿陵墓建立 寿陵墓が縁起がいいと言われる本当の理由

お墓といえば、おうちに不幸ができて、遺骨を納めるために建てるものと思っている人が大半。しかし反面、元気なうちから自分のお墓を建てておくことは縁起が良いとも言われています。

 生前に建てておくお墓のことを「寿陵墓」と呼びますが、いったいどうして縁起がいいのでしょうか。

いろいろなサイトを見ていますと、「節税対策」や「子の世代の負担軽減」などの文言が並びますが、そこには止まらない本当の深い理由をお話いたします。

秦の始皇帝から始まる寿陵墓

 寿陵墓が縁起がいいだなんて、どうせ石屋のセールストークだろ、なんて思われる方も多いでしょうが、実は寿陵墓の歴史は秦の始皇帝までさかのぼります。

 漫画『キングダム』でいま若者にも大人気の秦の始皇帝。中国の初代皇帝として権勢をふるいましたが、始皇帝が極度に死を恐れていたことは有名です。それは生への執着が強かったことの裏返しでもあるのでしょう。

 当時の中国では生前に陵墓を建てることは当たり前で、すでに「寿陵」と呼ばれていたそうです。

 しかし始皇帝の手がけた始皇帝陵・驪山(りざん)は、その規模が格段に大きく、周囲約6.2km、高さ76m、地下には水銀が流れる川が100本作られていました。なぜ水銀の川なのか。始皇帝が追い求めていた不老不死の薬「金丹」は、金と水銀が基本物質だからです。

 ちなみに、水銀の原料は朱の「辰砂」で、お墓に彫られる名前の中で、まだまだ健在な人は朱色を入れるのはここから来ていると言われています。朱色には、長寿への、健康への願いが込められており、私たち墓守の会のテーマカラーも、この朱色から拝借しています。

秦の始皇帝から始まった寿陵墓は現代にまで続いています。聖徳太子も、昭和天皇も、寿陵墓であることは有名な話です。

ご先祖さまとわたしたちは一心同体

 さて、私たちは秦の始皇帝ほどの大きなお墓を建てることはできませんが、生前にお墓を建てることが、今この世に生きている人の、さまざまな不安を和らげる働きがあることはまちがいないようです。

 お墓とは、亡き人を供養するためだけにあるのではなく、この世に生きる私たち自身が幸せでいられるよう祈ることができる場所なのです。亡き人のため、私のため。故人や祖先の冥福は私たちの幸福なのです。ここに、日本や中国などの先祖祭祀の文化が見られます。

 儒教のことばに「身は父母の遺体なり」というものがあります。つまり、この体は、両親、さらには先祖の遺体と一身同体であるということです。先祖とは自分のことであり、自分とは先祖たちから作られているという感覚は、多くの日本人の人たちが共有することではないでしょうか。

亡き人の冥福はそのまま私たちの幸せで、私たちの幸せはそのまま亡き人の幸せなのです。そんな亡き人と私たちがつながる場所こそが、お墓なのです。

お骨がなくても無数のご先祖さまのもとに生きている

おうちに不幸がなくたってお墓を建てても構いませんし、寿陵墓は、必ずやあなたの人生を幸せにしてくれます。その中にお骨がなくたって、あなたは無数のご先祖さまのもとにいまここに生きているのです。そうしたご先祖さまに手を合わせる祈りの場として、お墓は絶大の力を発揮してくれるのです。

 お墓とは、一方ではこの世を去った先祖を埋葬し、忘れないための「記念碑」であります。でも、もうひとつの理由として、あなた自身の祈りのための「祈念碑」でもあるのです。

 小さくたって構いません。寿陵墓を建てて祈りの場を設けて、お墓参りにするたびに、あなたの心がピカピカに洗われて行きます。こうしたよい縁起が、あなたのもとに舞い込んでくるのです。

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