墓守コラム

亡くなったあなたはどこ行くの?日本人のあの世観とお墓の話

ある時ふと、「人は死んだらどうなるの?」と考えてこわくなることはありませんでしたか? 子どもながらに、答えのない疑問がおそろしくて、夜眠れなくなったこともしばしば。私たちは、死んでしまったらどうなるのでしょうか。

私たちの命は、生まれる前から始まっていて、亡くなったあとも続いていく

「あなたの命はいつ始まっていつ終わりますか?」こう聞かれたらどのように答えますか?

「そりゃあ、生まれた日から、死ぬ日までだろう」

「誕生日から始まるけど、いつ終わるかなんてわからないわ」

ほとんどの方はそうですよね。私もそう思います。

でも、じゃあどうして私たちの命はいまここにあるのか。こう考えた時に、自分の命を、自分の生まれた時から亡くなった瞬間だけで考えられない。自分を産んでくれた人、そして自分を看取ってくれる人の存在がどうしても必要なんです。だってそうですよね。私たちは自分一人で生まれることなんてできないし、自分の葬儀やお墓を自分が亡くなったあとに準備することなんて、できません。

自分の命は、自分が生まれてから死ぬまでのものだけど、自分の命を根拠づけてくれているのは、祖先や子孫がいてくれるから。

私たちの命は、生まれる前から始まっていて、亡くなったあとも続いていく。こうした考え方が、私たちを少し安心させてくれます。

亡くなった人は、いつもすぐそばであなたを見守っていてくれる

日本人は、亡くなった人はいつもすぐそばで私たちのことを見守ってくれていると考えています。そうした死生観を持っているのです。

身内に不幸ができると、お葬式をして、一周忌や三回忌と、定期的に法事をします。遺骨はお墓に納めて、魂は仏壇の位牌に込められます。体(=遺骨)と心(=魂)、それぞれに手を合わせてきたのが日本人です。

それは、私たちのご先祖様が私たちの近くにいてくれている、一緒に暮らしているという肌感覚を持っているからです。

そして、33年経った古いご先祖様は、その地域全体の氏神様となって、近くの山や森や川などの、自然とともに、私たちを見守ってくれています。たいてい、こうした場所にその地域の神社がありますよね。

お墓は、祖先と自分と子孫をつなぐもの

祖先と自分と子孫をつないでくれるものがお墓です。お墓の前に行って手を合わすと、何十年何百年という時空を超えて、あなたの古いご先祖様に会えます。石は何百年何千年もの風雪にも耐えることのできる鉱物ですから、古くから世界中で、手を合わす対象とされてきました。

ご先祖様から受け継いだ命を次の世代につないでいく、そのつながりのシンボルこそが、お墓なのです。

生まれてから死ぬだけの命じゃない。その前後につながる命のバトンリレーの今を自分が任せられているのだ。こう考えると少しは気分がすっきりしませんか。

天気のいい日は、ぜひともお墓参りに行ってみてください。普段考えることのない命の鼓動に、きっと触れられる気がします。

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