墓守コラム

水子地蔵は幼い命やお母さんの命に光を与える仏さま

お地蔵さまは、たくさんおられる仏さまの中でも特に私たち庶民に愛され親しまれてきました。そして、幼くして亡くなってしまった赤ちゃんを救ってくださるのが水子地蔵さまです。

水子地蔵さまが助けてくれるもの

ひとことに水子といっても、その内情はじつにさまざまです。せっかく宿した命を流産で失った人もいるでしょう。やむを得ない事情で堕胎手術をされたという人もいるでしょう。水子地蔵さまが救ってくださるのは、この世界の光を見ずに亡くなってしまった小さな命だけではありません。お母さんの心に負ってしまった傷をも救ってくださるのです。

仏教に「慈悲」ということばがあります。「悲しみを慈しむ」。とても深い言葉だと思いませんか?

私たち人間は罪深い生き物です。悲しみや苦しみというものは、生きていく上で常に私たちにつきまといます。そんな避けては通れない悲しみや苦しみに、お地蔵さまは寄り添ってくださる。慈悲深い仏さま、それがお地蔵さまであり、水子や、そのお母さんの命に光を与えてくださるのが、水子地蔵さまなのです。

お地蔵さまが水子を救ってくださる理由

お地蔵さまもいろいろあります。道端に置かれたお地蔵さまは、道中の安全を祈願するものだけでなく、その土地の境界を表したものとされています。また地域によっては地蔵堂をこしらえて、その地域の人たち共同の信仰や寄り合いの場にもなっています。関西の夏の風物詩である「地蔵盆」はいまでも子どもたちに親しまれている年中行事です。

人の悩みや願いの数だけ形を変えるお地蔵さま。その他にも、とげぬき地蔵、首無し地蔵、子安地蔵など、日本各地にはさまざまなお地蔵さまがいます。

水子の供養としてお地蔵さまが選ばれているのには、2つの理由があると考えられます。

ひとつは、六道輪廻のどの世界に生まれ変わった魂であっても救ってくださる仏さまだからです。お地蔵さまは「一斉衆生済度の請願を果たさずば、我、菩薩界に戻らじ」と誓っています。もっとも弱い立場である子どもが、さらに姿かたちを見せないままあの世に行ってしまった。そんな水子のいる場所まで助けに行ってくださるのがお地蔵さまなのです。このあたりの物語は「賽の河原の地蔵尊」が有名です。河原で石を積めと鬼にせき立てられる水子たちをお地蔵さまが救ってくださるという話です。

もう1つは、「地蔵」という呼び名の由来です。サンスクリット語の「クシティガルバ」から来ています。クシティは大地、ガルバは胎内や子宮を意味し、この意訳で「地蔵」と呼ばれており、その名前の中にすでに母性が込められているのです。

水子と仏さまをつないでくれるお坊さん

いろいろな形のお地蔵さまですが、水子地蔵さまはそのほとんどがお寺の境内で祀られています。それは、お地蔵さまと水子をつなぐためには、やはりお坊さんの力が必要となるからでしょう。

水子のことでお困りの方は、ぜひともお近くで水子供養をしているお寺を探してみてください。すべてのお寺が水子供養しているわけではないので、事前の検索が必要です。

まずは電話で問い合わせることをおすすめします。また一度足を運んでみるのもいいですね。お坊さんの人柄や、お寺の環境はとても大切です。「ああ、このお寺のお地蔵さまに供養してもらえてよかったな」そう思えるお寺に巡り会えることが、お母さんの大きな救いになるはずだからです。

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