昨今、さまざまな場面で「墓継ぎ問題」の話を耳にします。テレビや新聞やネットなどのメディアでも、あなたのまわりの方の中でも、「あととりのいない墓、どないしよ~」と悩まれている方、いませんか? そして何よりこの記事を読んでくださっているあなた自身。
墓継ぎ問題は、家制度が大きな原因となっています。家がが途絶える、必然的にお墓も途絶えてしまうのです。
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ひとりが3つのお墓を見なければならない事例
ひどいケースでは、ひとりが3つのお墓を見なければならないという方がいました。ある日、当会に鈴木様(仮名)という方からこんなお困りごとが寄せられたのです。。
家に一通の郵便が届き、差出人は母方の実家(佐藤家)の菩提寺からでした。中を開けてみると佐藤家のお墓の維持管理をしてほしいとのこと。母はすでに亡くなっており、母の兄弟たちもみな他界しています。母には兄弟がいて、彼らが墓守をするべきなのですが音信不通。私は嫁ぎ先のお墓(鈴木家)と、自身の父方のお墓(田中家)をすでに墓守しているため、これらに加えて母方のお墓まで管理するのは、到底無理です。どうすればよいのでしょうか。
話を整理しましょう。
●相談者は鈴木A子さん。嫁ぎ先の鈴木家のお墓を守っている
●旧姓は田中。実家である田中家のお墓を見る人がいないために墓守をしている。
●実母の旧姓が佐藤。このたび佐藤家の菩提寺からお墓の維持管理依頼が届いた。
…ということです。
A子さんからすれば「これ以上の墓守はできない」と思うのはもっともです。しかし、お寺側からすると、境内に残された墓地をなんとかしなければならないということで、A子さんを祭祀承継者とみなしたようです。A子さんの心情、お寺の行動、ともにそれぞれの立場に立てば、至極まっとうなことなのです。
祭祀承継者は誰がなる?
お墓の維持管理を継ぐ人のことを祭祀承継者と呼びます。この祭祀承継者は、民法第897条で、次のいずれかで決めるものと定められています。
(1)被相続人(故人)によって指定された者
(2)慣習に従って祖先の祭祀を主催すべき者
(3)家庭裁判所が定める者
法律上は親族でなくても構いませんが、実際には「3親等以内に限る」などと定める霊園も多く、実際には家族や親族が選ばれるケースが大半です。
この場合、亡くなったお母さんから、墓守を誰がしてほしいという意思表示(1)がなかったのであれば、(2)の慣習、あるいは(3)の家庭裁判所に判断を委ねるしかありません。
慣習という言葉が、どのようにでも受け取れるほどに曖昧なのですが、A子さんの場合は、お母さんの兄弟の家族と相談するべきでしょう。つまり、あなたからみれば、叔父や叔母の家族、いとこなどにあたります。もしもこうした人たちがいるのであれば、まずは相談してみましょう。なにもあなたが祭祀承継者になる必要はないのです。
墓継ぎ問題を解決するお墓 「家」ではなく「ご先祖様」に手を合わそう
ひとつの家でひとつのお墓。この考え方には無理があります。少子高齢化により人口減少がますます進むいまの日本では、なおさらです。ではどうすればいいのか。解決策はこちらです!
ひとつのお墓に全員のご先祖様に入ってもらうのです。
違和感を覚える方もいるでしょう。でも、実際に3つの家のお墓を見れるのはこの世界でA子さんだけなのですから、A子さんがお参りしやすいお墓にするのが一番です。
私たちは、膨大な数のご先祖様のおかげでいまここに生きています。ひとつの家でひとつの祖先に手を合わす、というような小さな話ではなく、ひとつのお墓で家制度を超えた大きな意味での祖先に手を合わす、そんなお墓のスタイルが、これからのスタンダードとなるべきです。
亡くなった人にとっては無縁化されず、墓守する側にとっては負担が少なく。私たち墓守の会は、お互いが幸せになれる新しいお墓のスタイルをあなたにアドバイスします。
お骨の問題、墓継ぎの問題、どんなことでも、まずはご相談ください。親身に耳を傾けて、あなた自身のためになる方法をご提案いたします。