墓守コラム

お墓作りは公営霊園! 4つの理由から徹底解説

公営霊園にまつわる記事を続けております。前回は、墓地の経営主体は原則として地方公共団体が担うべきという国の指針について解説しましたが、この記事では実際の利用者のみなさんの立場にとって、いかに公営霊園がおすすめかをわかりやすく解説いたします。これからお墓の建立を考えている人は、ぜひとも最後まで読み進めてみてください。

おすすめ理由1 行政の管理という安心感 経営破綻のおそれがない

公営霊園の人気の理由の1番は、行政が管理するという安心感でしょう。寺院墓地や民営霊園の場合、そのお寺や業者によって管理清掃の質にばらつきがみられますが、公営霊園の場合は定期的に清掃業者を入れるため、園内が汚れ乱れるということはあまりありません。

また、廃寺になるお寺が増え、倒産した民営霊園が実際にある中で、公営霊園の場合は経営破綻という恐れもありません。

世代を超えてご先祖様をお祭りするお墓ですから、永続性という意味で1番信頼できるのが公営霊園なのです。

おすすめ理由2 どんな人でも利用できる 宗教による制約がない

公営霊園は、どんな人にも公平に墓地利用を認めています。宗教や宗派を問うことはなく、利用規則を守りさえすればどんな人でも、利用できます。

日本国憲法では「信教の自由」が保障されており、公共の福祉の考えのもと運営される公営霊園で宗教を問われることはありません。

民営霊園の場合も宗教宗派を問うことはありませんが、寺院墓地の場合はそのお寺の宗派に準じるのが原則です。最近では宗教不問の寺院墓地も見られるようになりましたが、それでも仏教以外の宗教に対して制限をかけるところが多いようです。

おすすめ理由3 提携・斡旋・石材店の指定はありえない

公営霊園が石材店と提携、斡旋するようなことはまずありません。また、寺院墓地や民営霊園では石材店を指定しているところもありますが、公営霊園では石材店を指定することはまずありません。

民営霊園の場合は、墓地の造成段階で石材店や開発業者が関わっていることが多いため、いざお墓を建立しようとする時に業者が指定されるのです。

寺院墓地の場合は、お寺の考えによって異なります。どの業者が入っても構わないというところもありますが、多くは石材店を指定しています。お寺側からすると、境内の中に入って作業されるわけですから、普段からよく知った信頼の置ける石材店の方が安心なのでしょう。

公営霊園ではこうした制約がないため、利用者は自由に石材店を比較検討できます。どんな形のお墓にするか、どれくらいの費用がかかるのか、信用のおける石材店か、複数の石材店から相見積もりをとることで、費用を安くすることも可能です。

おすすめ理由4 永代使用料が比較的安い

公営霊園は相対的に永代使用料が安い傾向にあります。これは、霊園の経営が非営利のもと行われるからです。墓地の価格はその土地の地価によって変動するため、各自治体の費用相場には幅がありますが、近隣の民営霊園や寺院墓地と比べてみると、公営霊園は安価しょう。

これは余談ですが、墓地の永代使用料は、1㎡あたりの単価と、墓地面積の掛け算で決まります。

たとえば、A霊園は1㎡の墓地を50万円で売り出していたとします。一方で、B霊園は4㎡の墓地を80万円で売り出していたとします。B霊園の方が高いのですが、1㎡あたりの単価に換算すると、B霊園は20万円となり、単価はこちらの方が安いことがわかります。これにより、霊園側の価格設定の意図が読み取れます。

1㎡あたりの単価が低ければいいという問題ではありません。大切なのは予算と、その面積の区画で満足いくお墓を建てられるかどうか、そのバランスではないでしょうか。

公営霊園の注意点

さて、ここまで公営霊園のおすすめの理由をまとめましたが、もちろん注意しなければならない点もあります。こちらもきちんと押さえておきましょう。

公営霊園がない自治体もある

市区町村によっては公営霊園そのものがないところもあります。また、多くの公営霊園では市外の人の利用も受け付けていますが、永代使用料が割高になります。

人気が高い分、手に入れづらい

さきほどまでこれだけ公営霊園のメリットを述べてきただけあり、やはり人気は圧倒的に高く、市区町村によっては入手しづらいでしょう。すでに全区画が完売している場合、墓じまいなどで返還された墓地が再貸付されます。再貸付の公募は、ある程度まとまった区画数がある時に行われるため、自治体によっては毎年行うところもありますし、数年に一度のところもあります。

また、中には空きがあり、随時募集のところもあるので、市の窓口やホームページで確認しましょう。

すでに誰かが利用していた場所に対する抵抗感

新規造成区画であればよいのですが、公営霊園をこれから探す場合、再利用の墓地になってしまうことが多いでしょう。墓地もきれいに整地化された場所とはいえ、以前誰かが使用していた場所です。そうした区画を利用することに抵抗感を覚える人もいることでしょう。

いかがでしたでしょうか。

公営霊園の人気が高いのはやはりそれだけ利用者の方にメリットが多いからだと思われます。ゆえに手に入りづらいというデメリットもあるのですが、ここ最近は墓じまいをする人が増えているため、返還地の公募数も増加傾向にあり、公営霊園の区画が手に入りやすくなってきました。お墓の建立を検討される方は、まずはお住いの自治体の公営霊園を検討してみてはいかがですか?

墓守の会では、西日本の各自治体の公営霊園の最新情報を収集しています。お気軽にご相談ください。

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